「星のや」7番目の施設が台湾・谷關(グーグァン)に開業。
山々に囲まれた谷あいの平地に立ち、豊富に湧き出る温泉が魅了する、
台湾初のラグジュアリー温泉リゾートです。
2019年2月、ご予約開始予定です。
台湾の真ん中に位置する台湾第2の都市、台中。多様な文化を取り入れて発展し、伝統とモダンが融合した都市だ。そこから内陸エリアへ行くと、雄大な山岳地帯となり亜熱帯のイメージとは異なる、「もう一つの台湾」が姿を現す。3,000m級の山々が連なる中央山岳地帯の西の麓に、谷關という温泉地がある。3,800mを超える「雪山」から流れ込む大甲渓が削った谷あいに開かれ、こんこんと水が湧き、大地のエネルギーで熱せられた水が温泉となって湧き出している。まさに台湾の心臓のような場所だ。
大甲渓の蛇行によってできた台地からは、谷關の町一帯と、中央山岳地帯の連なりを見渡すことができる。この台地に建つ「星のやグーグァン」。竹林のアプローチを抜けた先の、どこか無機質なレセプションは、別世界に来た気分に誘う。敷地の中に踏み込むと緑があふれ、周囲の山々に溶け込んでいる。日常とは隔たれながら、大自然と繋がる世界。温泉が豊富に湧き、広大な敷地のどこを歩いても聞こえる水音や風のそよぎ。疲れも何もかも消えてしまいそうな異空間。現代人のために造られた夢の湯治場は、きっとここに違いない。
深い渓谷がもたらす湧水と豊かな温泉の恵みを感じる湯治場。大浴場に漂う檜の香りが心をほぐし、なめらかな弱アルカリ性の炭酸泉は肌を潤す。大露天風呂は、水路を巡らした森へと繋がるように作られ、ジグザグな形状のデザインが自然との距離を近づけてくれる。ここで愛でる季節は、春には桜、秋にはもみじなど、移り変りが心をとらえることだろう。ふと、流れ落ちる水音に気付く。湯の中を奥に進むと滝があり、しぶきをあげるその様に時を忘れてしまうようだった。
敷地内のどこにいても水音が聞こえる。様々に響く水音はまるで自然が奏でる音楽のよう。吹く風の気分に任せて耳を澄ますと、いつも違う音色に聞こえてくる曲。昼下がり、水音に誘われるままに敷地内を散策する。行く先々にはガゼボがあり、読書や昼寝ができる。ラウンジからもってきたフルーツやドリンクを傍らに置き、水音の協奏曲に身を沈めた。
滔々と沸き出ている温泉は、すべての客室に注ぎ込まれている。メゾネットの独立したフロアにはかけ流しの露天風呂がある。隣には湯上りにくつろぐベンチ。フロアの両面には窓があり、開けると風が吹き抜けた。ルーバーで風の量とプライベート感を好みに調整できる。存分に温泉を楽しめるよう、細やかに設計されているのだ。一面の窓を額縁に、山水画のような風景が広がり、夕日が沈むにつれて宵闇へと色を変えていく。
夜半、部屋で温泉につかりながら眺める星空は見飽きることなく、早朝湯船に映りこむ鮮やかな新緑も格別だ。温泉を堪能したらプールで泳ぐ。日が陰ってきた午後はプールサイドで読書をしよう。食事は気が向いた時にとればよい。贅沢な時間を日の移ろいとともに過ごす。ここはまるで現代の桃源郷だ。少し涼みにと竹林を歩けば、どこからともなくカワビタキの声が聞こえ、壮大な山の景色が迎えてくれた。